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あしあと

    オビシャ(おびしゃ)

    • 初版公開日:[2021年03月05日]
    • 更新日:[2023年10月18日]
    • ID:4183

    オビシャ

    紹介

     1月から2月上旬にかけて、町内の各地区で「オビシャ」という神事が行われる。オビシャはビシャとかブシャなどともいわれ、「歩射」「奉射」「武社」「毘舎」などの文字が当てられている。利根川流域の埼玉県・茨城県・千葉県にかけて分布しており、弓で的を射てその年の豊作を占う行事といわれているが内容は多様で、中には弓を射る神事が伴わないものもある。現在町内で行われているオビシャは弓を射らないものが伝わっている。ここでは芝山町内で行われているオビシャの一部を紹介する。

    殿部田の男オビシャ

     殿部田地区の男オビシャは1月6日に行われる。正午頃、ほら貝を吹いて地区内を回り、オビシャの始まりを告げる。集会所に集まった地区の男性は、神事の後「酒相撲」を行う。これは地区の人たちが東西に別れ、行司2人の進行によって杯を開けていく儀式で、傍らには豆腐と海草(海藻を煮て固めた千葉県の郷土料理)が用意してあり、下戸の人はつまみにする。

    加茂の女オビシャ

     加茂地区の女オビシャは、1月第3日曜日に行われる。地区内は4つの班に分かれており、そのうち1班が当番となって他の班のお客さんをもてなす。正午頃に集会所へ集まり、世襲の「カギモト」の差配でお祓いと玉串奉てんが行われ、これが終わると宴会となり、当番の人たちがお客さんに酒をついだり、話をしたりと接待をする。

     宴会がひと段落すると、汁椀のふたを杯にして酒を飲む(マンコンの杯)。その後「オツイダチ」と呼ばれる神事を行う。カギモトをはさんで両親が健在な人と出産が近い人や子どもを授かりたい人が座り、杯を交わして安産や子孫繁栄を祈る。続いて今年の当番と来年の当番が座り、当番の引き継ぎを行う。杯を交わした後、新しい当番は神様を襟元に入れ、家に着くまでは振り向くことはできないとされている。最後に、松竹梅・鶴亀の飾りを皆で掛け声とともに持ち上げ、お開きとなる。

    白桝の男オビシャ

     白桝地区の男オビシャは1月20日に行われる。神前での神事が終わった後直会(なおらい)となり、盛り上がってきたところで「酒相撲」となる。両親が健在な人が行事となり、行事が東西より酒相撲を取る人を指名する。指名された2人は塩と水でお清めをし、行事の前に座る。行事が酒を注ぐので3度飲み干すが、このときは一切しゃべってはいけないとされている。また、飲み干すタイミングも合わせなければいけない。最後の取組が終わると行司も酒を飲み干し、3人で杯が置かれた盆を持って回りながら下座へ移動し、酒相撲は終わりとなる。その後当番の引継ぎを行ったあと参加者に「ハネコ」と「トコロ」を配り終了となる。

    新井田の女オビシャ

     新井田地区の女オビシャは1月25日に行われる。公民館に集まった女性は区内の称名寺(しょうみょうじ)の僧侶とともに子安観音を拝み、その後杯を置いた盆を持った人が下座から上座へ移動し、その後を「豊年だー、万作だー」と掛け声を掛けながら「ハネコ」をまく。まいた「ハネコ」は拾って食べる。

     続いて、3段重ねの杯で順番に酒を飲んでいく。酒を注ぐ役は両親が健在の人が就く。1番は称名寺の僧侶ともう1人。1杯飲んだら杯を交換して、もう1杯飲む。杯を飲むと帰り支度となり、おみやげにべんけいとお菓子を持たせる。べんけいは家で汁の具にするという。

     玄関の外では、もう一度酒を飲み、豆腐を食べる。これを「ズキンカブリ」という。次の当番は背中にへいそくを指して家に帰るが、このとき後ろを振り返ってはいけないとされている。

    牧野東の男オビシャ

     牧野東地区の男オビシャは1月15日に行われる(現在は直前の日曜日)。神職を招いての神事の後、直会(なおらい)となるが、直会は全て座配の進行で進められる。

     まず酒注ぎを2名指名する。これは両親共に健在な者が就く。そして最初に行われるのは「三魂の儀」で、三段重ねの杯を上座から順に飲んでいく。

     三魂の儀が終わってしばらくすると「オズイダ」と呼ばれる酒相撲が始まる。参加者が東西に分かれ、東西から酒相撲を取る人が席に座ると、酒注ぎが杯に酒を注ぐ。酒の量は行司が厳しくチェックし、目いっぱいに注がれる。杯の下には半紙が敷いてあり、もし酒がこぼれて半紙が濡れたら、酒注ぎが飲まなければいけない。酒相撲を取る人は、酒を飲み干した後、口の周りを拭いてしまうと、もう一杯飲まなければいけない決まりとなっている。そのため皆で「口に付いているぞ」などと言って口を拭かせようと囃し立てる。

     酒相撲が終わると「当渡しの儀」を行い、来年の当番の襟元に神様の掛軸を入れ当番の引き継ぎを行う。その次は「豊年満作の儀」といい、座卓の四隅に杯、中央にお菓子(かつてはハネコ)が入ったざるを置き、酒注ぎ2人と今年の当番、来年の当番が座卓を持って上座から下座へ右回りに回りながら、区長が「豊年だー、満作だー」と言いお菓子をまく。それが終わると「天杯の儀」に移り、桐紋入りの杯で酒を飲む。最後に終宴の合図としてお茶を出し(かつては大根汁)、終了となる。

    お問い合わせ

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