あしあと
山地災害とは、山崩れ、地すべり、土石流など山地に起因する災害です。
日本では毎年数千箇所もの山地災害が発生し、大きな被害を引き起こしています。
日本で山地災害が多く発生するのは、日本の地形や気候条件などが山地災害を起こしやすい特性を持っているからです。そのため、日頃から山地災害の危険と隣り合わせに暮らしているということを認識しておかなければなりません。
近年、山地に起因する土砂災害が多発し被害が甚大化する中、林野庁や都道府県では、人家や病院、学校、道路等の公共施設などに直接被害がおよぶおそれがある地区を調査し、基準を上回る結果であった箇所を「山地災害危険地区」として把握しています。
身近に危険な箇所がないか、千葉県のホームページ(別ウインドウで開く)や町ハザードマップ(別ウインドウで開く)などであらかじめ確認しておきましょう。
雨や地震などの影響により、山の斜面が崩れ落ちる危険がある地区です。
宅地と裏山の距離が近い場合、小さな山崩れでも人命にかかわることがあるため注意が必要です。
<山腹崩壊(山崩れ)が起こりやすいところ>
・岩石がもろく崩れやすい地質のところ
・軟弱な地盤で急斜面のところ
・山の斜面に亀裂や湧水があるところ
・水が集まりやすい地形のところ
・過去に山崩れがあったところ
地下水などの影響により、土地の一部がすべりだす危険がある地区です。
千葉県南部の嶺岡山系に集中している地すべり地帯では、少量の雨でも地下水が集まる場所で地面が動き出すことがあり、日頃から兆候を見逃さないことが大切です。
※芝山町に該当地区はありません。
<地すべりが起こりやすいところ>
・山の斜面に亀裂や段差があるところ
・地下水や湧水が豊富であるところ
・断層や崩れやすい岩石があるところ
・過去に地すべりが起こったところ
大雨などの影響により、谷沿いの不安定な土砂が水と一緒に一気に流れ出す危険がある地区です。
この現象を「土石流」といい、下流に民家や公共施設が存在する場所では大きな被害をもたらすおそれがあります。
※芝山町に該当地区はありません。
<土石流などが起こりやすいところ>
・上流が山崩れなどで荒れている渓流
・流れが急で大きな石やたくさんの土砂がたまっている渓流
・過去に土石流が起こった渓流
山地災害の多くは雨が原因です。1時間に20ミリ以上、1日に100ミリ以上の雨が降ったら要注意です。
台風による風水害は、進路や勢力などを予想しやすいので、最新の気象情報をつかんでおきましょう。
また、地震により突然山地災害が発生することがあります。住家の状態や周囲の地形などを十分把握しておきましょう。
<次の危険信号に要注意!>
・今まで枯れたことのない湧水が止まった
・湧水の量が急に増えた
・普段澄んでいる沢や井戸の水が濁ってきた
・川が濁り、流木が混ざりはじめた
・雨が降り続いているのに川の水位が下がった
・山の木が傾いたり、斜面に亀裂が走った
・山の斜面から石が転がり落ちてきた
・地鳴りの音が聞こえてきた
まさかの時にすばやく避難できるよう、非常持出品の準備をしておきましょう。
<非常時持ち出し品の一例>
・現金(公衆電話用の小銭を含む)
・車や家の鍵
・銀行の口座番号など
・身分証明書類(運転免許証、健康保険証、パスポートなど)
・母子健康手帳
・携帯電話(充電器を含む)
・印鑑
・親戚や知人等の緊急時連絡先
・懐中電灯(予備の電池を含む)
・携帯ラジオ
・下着などの衣類
・非常食(乾パン、缶詰、ミネラルウォーターなど)
・持病のくすり
・その他自分の生活に欠かせないもの
今後、地球温暖化の影響により集中豪雨の多発や台風の強大化のおそれが高いことが指摘されています。
万一の災害に備え、避難場所(別ウインドウで開く)や避難経路の確認をしておきましょう。
災害時には町から避難勧告等の避難情報を発令します。また、危険を感じた際は、早めの自主避難を行うことも大切です。
山地災害危険地区は、法律に基づく指定ではありません。
山腹崩壊、地すべり、崩壊土砂流出による災害が発生するおそれがある地区を住民に知っていただき、早期に警戒避難等の対応をすることで災害の発生を未然に防止することが目的です。
そのため、山地災害危険地区に指定されたことに伴う規制等はありません。
なお、山地災害危険地区の対策工事が行われる際には、必要な範囲が原則として保安林に指定されることになります。
山地災害にかかわる各危険地区は、林野庁の「山地災害危険地区調査要領(平成18年7月)」(別ウインドウで開く)に基づき指定されています。